月兎社のモト
by calico5
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目黒雅叙園 保存建築公開。
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キテレツゴウカケンラン建築で知られる目黒雅叙園[LINK]のオープンは昭和6年。創立者の細川力蔵は中華料理のターンテーブルや送迎タクシー、総合結婚式場を発案した創意にみちた人物で、それまで一部の階級だけを相手にしていた料亭とはちがって婦人・子どももふくめた一般人がお大尽遊びのできるハレの場のめざして贅を尽くした雅叙園を建造、「昭和の竜宮城」とも呼ばれた空間をつくりあげた由。1988年に近代ホテルに改築されたものの「百段階段」「漁樵の間」など一部が保存され年に何回か公開されてます。

いやー、すごかったす。「漁樵の間」の柱の浮き彫り彫刻は写真でみていたけれど、お寺の天井によくあるような円形の花鳥風月絵も浮き彫り。これにはたまげた。でもなかにいるとなんか気持ちがおちついたのが意外。細川力蔵は各部屋の装飾に一流の日本画家とその妾を招いていっしょに寝食させつつ部屋を仕上げさせたなんていう艶っぽい話もあるけど、建設当時は世界規模の大恐慌のまっただなかで、仕事にあぶれていた一流の職人たちが全国から集まってきたとのことで、全体としてはケレンというよりは一流職人の技の結実した伝統的美意識空間という感じでした。柱や欄間の浮き彫りの人物はみな優しい儚い顔立ちをしているし、組子障子のヴァリエーションもすばらしー。

それよりも戦争中に海軍に接収されて海軍病院分院として使用されたって話のほうがケレン味ありすぎ。ていのいい帰国後の保養所だったのか、小野一郎さんが推測してらっしゃるように螺鈿細工のエレヴェーターで瀕死の兵士が昇降するそれこそバロッキーなエロス&タナトス空間だったのか、いずれにせよ東京大空襲で焼夷弾を被弾するも入院中の海軍さんの必死の消火活動で延焼をまぬがれたなんてエピソードもあって、紅蓮の炎にまかれる江戸の贅を引き継いだ歓楽の館とキズついた海軍兵士、なんてあざとすぎて小説にもならん。戦後は政府から返還されるも東京都からの要請でしばらくは一部を大陸からの引き上げ帰国者と進駐軍の宿舎に貸与していたとのこと。うーんん。このへん当事者の聞き取りというのは読めないんだろうか。蛇足だけれど細川力蔵もまた西武の堤康次郎とおなじように乗っ取りをおそれ決して株式上場をしないよう言い遺したとか。力蔵の制作させた装飾やコレクションを最大限に生かそうとおおがかりになった昭和末の改築の巨大予算が仇となって結局は倒産、現在は外資になっているという記述も発見[LINK]。あああ。

2003年2月の「芸術新潮」は「バロック王国ニッポン」特集。雅叙園ほか日光東照宮、箱根富士屋ホテルなど日本のバロック建築を小野一郎さんと山口由美さんの対談と迫力ある写真で小気味よく紹介。「死者の都・日光から婿入りして老舗遊郭を箱根富士屋につくりあげたオトコ」のエピソードは圧巻。「日本怪奇幻想紀行9/奇っ怪建築見聞」[amazon]は小野さんの「雅叙園と日の丸軒、異次元建築にはまる」のほか水木しげるさんの「二笑亭」漫画、橋爪紳也さんの「プラスチックの透明住宅を訪ねる」も収録されててとても面白い本。サイトの通販でも買える雅叙園発行の図録「時の流れ 目黒雅叙園」は改築前の写真をたくさん掲載。使用木材へのこだわりがおもしろい。むかしの日本建築ってそういうもんなんだろうなあ。
by calico5 | 2005-05-16 17:26 | 本・映画・展覧会
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