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今週ふたつの英BBCの番組をみました。
「メルトダウンの内側」[LINK]と 「ツナミの子どもたち」[LINK]です。 (日本語のまま放映される日本人へのインタビューで構成されているので、英語がわかんなくてもダイジョブ!)。この番組がなぜ日本で制作できないか。それはこの国を動かす人たちが、子どもより人々よりお金が大事、今まで儲けてきた人が儲け続けるためには原発推進の利権構造を守らなくてはならないと考えているから。原発推進をあきらめない限り、東電福島原発であの時何が起きて、今何が進行しているかは公開されない。原発をあきらめない限り、子どもは見棄てられ、食べ物をつくるひとびとを見棄られる。そんな国でいいと思う人以外は、無力感と自責の念にうちひしがれていく。こんな状態で3月11日をむかえることにしてしまった政府・財界・マスコミはそれで何とかなるとほんとに思っているんだろか。 + 英BBC制作の「ツナミの子どもたち」では、宮城県で津波にあった子どもたち、福島県の高汚染市域で暮らす子どもたちが、しっかりとカメラを見つめ、じぶんの言葉でその時何がおこったか、その後どう過ごしたか、今何を思っているかを語っています。日本の子どもたちの、愛らしいけれどひとりの人間としての知恵と意思と尊厳にみちていて、その言葉や表情に圧倒されました。 子どもたちは津波で失われた友だちを愛情深く哀惜し、原発事故による高放射能地域に見棄てられた福島の現状を、じぶんの目で見て正確に把握しながら、なすすべもなく高汚染地域に留まる親たちの心情を思いやってさえいる。驚くほど怜悧に福島の現状を語った愛らしい少女の、ガラス計器をつけマスクをした学校生活の映像に、子どもたちの合唱の「すてきな世界、すてきな世界」というリフレインがかぶさる。子どもたちの言葉と表情だけを淡々とひろったこの番組の中で、ゆいいつの、しかし痛烈な批判が溢れ出たこのシーンを見て、わたしは震災後いちばん激しく泣きました。津波は天災だけれど、一年間子どもたちを放射能にさらし、いまも何もできていないのは自分たちのせいだから。 + ふたつのBBC制作番組は、こんなことをしでかしてしまった日本を容赦なくドキュメントしながら、登場する人々ひとりひとりの哀しみ、自責、現在を尊厳を以て描いてくれていました。 今回の東電福島原発事故がつきつけたことは、この、ひとりひとりの人間としての尊厳ということだと思ってます。ひとりひとりがじぶんの頭と感受性のすべてを尽くして今何が起きてるか、これから何が起きるのか、結果がでるのは5年後10年後、誰も正解を持たないなかで、「自分は何を守るべきと考え、そのためには今何をすべきか」刻々と判断していかなければならないと、日々ニュースをみるたび無力感と憤りにおちいりそうになりながらも思う今日このごろです。
by calico5
| 2012-03-11 12:05
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