今月はCSでアジア映画を何本も観ました。長年つらい山間部の郵便配達をつとめあげた男が、仕事をひきつぐために息子とともに歩む最後の山ゆきを描いた中国映画「山の郵便配達」
[amazon]。ひとも山奥の集落も深くて泣けたぞ。孫のたよりを待つ盲目の老婆の藍の服が鮮烈なカットの息をのむうつくしさ!「季節のなかで」
[amazon]はベトナム映画。登場人物造形ちと単純だけど、病のために世を捨て世に捨てられた富豪詩人の蓮沼、その蓮を採って街へ売りに行くために早朝の蓮沼に小舟で漕ぎ出す女たちのシーン美しい。「小さな中国のお針子」
[Link][amazon]。孫娘と下放青年たちが親しくなるのを阻止しようと彼らの部屋に泊まり込む裁縫師のおじいさん。青年たちに読み聞かされた「モンテ・クリスト伯」がおじいさんの頭のなかでスパークして、ラジオもない山村の娘たちの服に錨のマークやマルセイユ娘のフリルがサクレツ!このシーンがすばらしく楽しい。本はひとを解き放つ!しかしてお針子は?!原作
[amazon]も読んでみたいものです。「お針子」つながりで「クレールの刺繍」
[LINK]も観たいー。
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アジア出身でフランスで活躍する「青いパパイアヤの香り」「夏至」のトラン・アン・ユン監督、「お針子」のダイ・シージィエ監督の、政治や階級やジェンダーを画面に表しながら際どいところで紋切り型にさせずすり抜けていく手腕っておもしろいなあ、とも思う作品群デシタ。