六本木ヒルズ森美術館
[LINK]。いや、すごかったっす。作品はむろんだけど作家自身による会場設計スゴすぎ。こんなソフィスティケートされた展覧会ははじめてみました。ことに第1室、19世紀末にドイツからもたらされた数理模型をモニュメンタルに撮ったシリーズ「Conceptual Forms」を展示する白い柱廊のモニュメンタリテイとパースペクティビティ。ああっアタマよくナリタイってつい思っちゃう理知的垂直空間(笑)。うってかわって第三室「Seascapes」は水平線の水平空間のなぜここまで波を撮影&現像できるの超絶技巧。ライティングも設置された水平能舞台もあいまって、写真集じゃぜったいわからない世界。映画2時間分の光が浮かび上がらせる「Theaters」、自然史博物館のジオラマ「Dioramas」も懐かしかったけど「無限遠の2倍に設定された焦点」(うっ、なんじゃそりゃ)で撮影された「Architectures」こんかいキました。むろんボケボケなんだけれどその焦点では弱いディテール、弱い建築はおのずと姿を結ばない。その焦点距離に耐えて姿を保ち得た建築だけが作品化されるというコンセプト。じぶんにとって建築物の夢は予兆にみちたある種の悪夢だけど、このシリーズを展示した第6室は夢をみている網膜みたいっだったぜ。フランドル絵画の精密視覚に挑んだ「Portraits」の間も悪夢空間の一種だったけどね。
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会場をでると六本木ヒルズの展望空間。中央線ヒッキーにはわからんがTOKYOはいまだ世界に繋がっていたのだった(笑)。売店で売っている「BRUTUS」杉本博司特集号(9/15号)もおすすめ!(売店には大森荘蔵先生の「時間と自我」
[amazon]ほか傑作時間論も並べてあったのもなつかしかった。愛読書なんだろうか??)。うーん、なんかたいへん気持ちの高揚する回顧展でありました。