アレント
[amazon]とディネーセン
[amazon]読了。「復讐…」はクラシックな少女小説の趣き。アレントは10数年読まなきゃと思いつつ読めなかった本ですがディネーセン論が入っているのをきっかけに読めてよかった。
「暗い時代」とは「権力を握った者と意見を異にする人々に射殺以上に悪い事態が生ずる」時代、直接的にはナチスが「公的空間」を極端に歪めた時代をさし、その時代に生きたルクセンブルグ、ブレヒト、ベンヤミンらを論じた評論。個人的にはベンヤミンの章がおもしろかったけれど(「ふり返ってみれば、かれの生涯は業績と偉大な才能と不器用さ不運とによって織りなされた解き難い網に捉えられていた」と友を語るアレントの文章は哀切)、レッシングとブレヒトの章をもういちど読むかも。同情心を恐怖心と同様に受動的で逃れがたいものととらえること。いま「罪と罰」を読んでるので(笑。しかも動機がすげー不純)、それとシンクロしてチョト驚いてんのだ。